9月になり、後期授業が開始となりました。2年生は来年2月から開始の、より実践的な臨床評価実習に向けて本格的な作業療法学的治療論に関する授業が始まりました。今回はそのひとつである義肢装具学作製実習について紹介したいと思います。
その前に、簡単に義肢装具について説明します。義肢とは、失われた四肢(手や足)の機能を補う目的で用いられるもので、義手や義足などがあります。一方、装具とは体の機能を矯正したり、代用したりするもので、ドラッグストアなどで売っているような身近なものとしては、コルセットとか外反母趾変形を矯正するグッズなどが装具に当てはまります。
今回紹介する実習では装具のひとつである“スプリント”というものを作製します。これは、約60度の温熱でやわらかくなる特殊なプラスチック素材を用いて作製します。このスプリント作製技術は、患者様の拘縮(こうしゅく:関節の動く範囲が狭くなること。関節が固くなること)に対しての矯正や、リウマチなどによる変形の進行予防、麻痺などで動かなくなった手でもペンが持てるように工夫したりする際に、用います。
“作業療法”というと、何か手工芸をするもの、といったイメージを持つ人が多いようですが、このように患者様の機能改善のためにスプリントを用いた運動療法的治療を行うことも少なくありません。
また、スプリント作製技術を系統立って学ぶのは作業療法士だけなのです。ですから、作業療法士としてスプリントを作製するのは重要な治療法としてひとつの強力な武器になるのです。
実際に作製してみると案外難しいです。
温度が低くなると再び硬化してしまうので、手早く相手の手の形状に合わせて作製しないと矯正や変形予防を行う本来の目的を達成できないスプリントが出来てしまいます・・・.
何度も失敗しましたが、ほぼ全員の学生がスプリントを完成させる事ができました。徐々にではありますが、素材の特徴をつかみつつあるようです。
ですが、まだ今後の授業で6種類のスプリントを作製します。また、どんどん難易度が上がっていきます。これからもしっかり作製技術を身につけて是非多くの患者様の機能向上に貢献してほしいものです。
ちなみに・・・
掲載される頃には終わってしまっていますが,9月26日のオープンキャンパスでは、このスプリント作製を体験できます。反響を見て回数を増やしたいと思いますのでご要望の方はお問い合わせくださいね。
by作業療法学科専任講師・飯塚照史

