私は関西学研医療福祉学院入試広報室のアッシの相棒「アーミー」だ。
アッシが夏休みということで理学療法学科の調査を代理で行うことにした。
ロープがあったのでセキュリティにばれずに本館入口まで
灼熱のアスファルトを南へ進むと
着いた。
「青丹学園 南館」通称「PT棟」
この棟には理学療法士を目指す向上心の高い選ばれし者たちがいるらしい。
早速、潜入成功。捜査を続ける。
まずはPT棟1階ロビー。
今日は夏休みというのに1階自習スペースで自習をしている若者が多くいた。
向上心高い…仲間にも伝えなければ…
その中でもひときわ熱心に勉強をしている若者に理学療法バイブルを見せてもらった。
なんと分厚いブック。厚みはわたしの足のサイズくらい、重量はアーミー100人分といったところ。
アーミー:これはなにをしている?
向上心A:これすべて覚えます。基礎知識を脳内に定着さえすればあとは応用をきかすだけなので、この量でも覚えられますよ。勉強はコツ。コツコツがコツです。
わたしも数多くの書籍を読んできたがこの量には驚いた。
なんという記憶量。向上心の塊がそこにはいた。
さて、次はPT棟2階教務室
アーミー:失礼する。
教務室:…
アーミー:おい。
教務室:…
アーミー:おーい。
教務室:…
何度声をかけようとびくともしない。(私の声は大人には聞こえないのか…)
ここには青丹学園の強みのひとつ「現場を知る現役のプロフェッショナル」がいるということで
アッシから必ず調査するように頼まれていたが、残念ながらアーミーの声は大人には聞こえなかった。しかし、教務室には学生が頻繁に出入りし、それに笑顔で対応するプロフェッショナルの姿があり、信頼の厚さが伝わってきた。
次は、PT棟3階実習室。
以前アッシから3階実習室には骨骨しいやつがいると聞いていた。
周辺を見渡すと・・・・存在感のあるホワイトを基調とした骨骨しいやつ。
・・・・・
あいつか。恐る恐る近づくと関節をがくがく震わせながら
骨骨しいやつ:わしの名は「ガッチャン」。何が知りたい?
アーミー:(わしやけどチャン付けかよ。)何が知りたい?とはどういう意味だ?
・・・・・
沈黙が数分続き…重い顎をあけてガッチャンが語ってくれた。
十数年前から理学療法士を目指す若者のために自らの骨を使い、使われ身を削りながら学生らに骨の場所や関節機能を教えてきたらしい。
その甲斐もあり、学生から慕われ国家資格取得するには
『骨』だけに外せない存在になっているようだ。
そして、この他にもガッチャンさんから青丹学園武勇伝を聞かされ、
結局……校長先生の話よりも長かった。
思わぬ足止めを食らってしまったのと、別の任務が入ったので
本日はここまで。
失礼する。