みなさんは「がんサバイバー」という言葉を耳にしたことはありますか?
以前はサバイバー(survivor)=生存者という意味から、
がんになりならがも生存している、という捉え方が主軸でしたが、
昨今医学の進歩により生存年数が伸びたこともあり、
今ではがん体験者を指す言葉として、がんと向き合いながら生きる
という意味を含んだ捉え方が主流となっています。
このブログでは、がんサバイバーで
ミュージシャンの「まえけんビーバー」さんをご紹介します。
私が「まえけんビーバー」さんと知り合ったのは30年も前のこと。
そのまえけんさんが3年前にステージⅢのガンであると
知らされたときの衝撃は今も忘れられません。
手術は成功したものの、抗がん剤、合併症による再手術など厳しい闘病生活。
特に再手術にいたるまでの苦しみはまさに死線をさまよう状況であったそうです。
LIVE活動再開の連絡が入ったのは手術後半年にも満たないころ。
「歩いたら内臓がゆれて気持ち悪い」
(健康な人の内臓は固定されているのですが、
手術で内臓を切ると固定が上手くいかないようです)
なんて言葉が出ているのに、ライブなんて出来るのだろうかと正直思いました。
ステージにあがる、まえけんビーバー
明らかに痩せた顔と身体。
しかし眼だけが異常な輝きを放つ
そこで目にしたのは今までにない圧巻のパフォーマンス。
直感でわかる、これが命をかけるということか・・・
がんサバイバー
生き残りじゃない。
がんを経験し「命」と向きあった
その答えをミュージシャンとしてライブパフォーマンスで表現している・・・
楽曲
「君に賭ける Bet You On」
死線をさまよう中で「君=自分」をあたかも他人のように見た、
そんな痛みに苦しみ弱い「君=自分」にもう一度賭けてみるという楽曲。
<歌詞より>
恥をかいてもいい
痛がっていい
そこから始まる
胸張っていこう
ただこの決めた道
信じる先へ 沿って歩いてく
まだまだ先は 見えないけど
So Bet you on
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ああ、そうだった…なんで忘れていたのかな
胸張っていけばいいんだ
信じて決めた道を生きることに。
いや、まだ先は見えないかもしれないけど
君に、自分自身に賭けた
その生き様に胸張って生きればいい
ありがとう、この感覚、思い出させてくれて…
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医療福祉の仕事では時に生と死に向かうことがあります。
まえけんビーバーさんのみならず、
生きることに向かわれた方々の声に耳を傾けるのも、
この仕事をするのに凄く良いことだと思います。
まえけんビーバーさんは神戸三宮でギター教室をされています。
最近ではラジオ関西に出演、ライブ活動も精力的に行われています。
教室やライブ活動については以下のホームページをご覧ください。
文:理学療法学科教員 長坂